博士課程2011年4月~2013年3月
埼玉大学大学院での研究を振り返って
私は、埼玉大学大学院(以下、院といいます)において、研究の機会を得て、指導教授をはじめ多くの先生方、同じ志をもつ仲間などの有形・無形のご支援のおかげで、修了することができました。そこで、これから学問研究を始めようと考えている皆様へ向けて、私自身の院での経験を振り返ってみたいと思います。
まず、研究動機は、自身の社会人としての業務経験(証券市場にかかわる実務)のなかで、「自分なりの問題意識を体系的にまとめてみたい」と考えたからです。この点は、研究を志望される方々に共通する動機であるかもしれません。今でも、入学が認められ、「やるぞ」と(かなり久々に)気を引き締めたことを、埼玉本校の桜の開花とともに鮮明に覚えています。
次に、それでは、なぜ、埼玉大学なのか、と問われますと、いちばんに「仕事と両立しながら研究が可能なこと」ではないでしょうか。その他にも、他の大学院にはみられないメリットがあります。具体的には、このHPに謳われていますので、ご高覧ください。
また、院の大きな特徴は、「論文を執筆して、完成させること」です。学術的に独創的な論文を完成させるという、非常に高いハードルを超えて、成果をあげることが求められます。
だからこそ、院では、これを後押しする研究環境を十分に整備しています。院の開設以来、脈々と、多くの修了生が続いていることは、その証でもあります(しかし、少し小さな声でいいますが、業務の余暇に営々と、学問のフロンティアで徹底的に考えるという難行を強いられますので、最後には気力と体力勝負となりました)。
さて、実際の研究活動の中で、一つだけ申し上げたい重要なことは、ミッションとなる論文完成に至るまでの「自分自身の方法」を確立して、論文執筆を進めたことです(たとえば、定期的に論文の内容を研究会・学会などで報告すると、欠点が発見できるので軌道修正しました)。ここで、私の方法とは、「考える→調べる→書く→考える→調べる→書く→考える・・・」の反復です(したがって、途中で、気持ちが折れそうになることもあります)。結局、シンプルですが、このサイクルを回すことによって、自分の主張したいこと(論旨)を明確化させ、進化させることが分かりました。これが完成論文に至るまでのスパイラル・アップのサイクルでありました。
最後に、今、この「卒業生の声」をご覧になって、「研究を始めようかな」と迷っている皆様に向けて、メッセジーを送ります。迷わず、埼玉大学での学びの扉を開きましょう。
ここでの経験が、「自分自身の考え方や行動を変える力」として、必ず、活きてきます。そして、一緒に大きな花を咲かそうではありませんか。
※修了生の所属先は、原稿作成時のものです