修了生の声

忙しい社会人のために平日夜間・土曜日に通える経済経営系大学院

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博士後期課程修了生(2012年度)
目 篤 (小売事業会社)

博士課程2010年4月~2013年3月

1.研究をはじめた経緯

私は,40代を前にして,大学卒業後長らく勤めてきた銀行(日本興業銀行,みずほフィナンシャルグループ)での審査・調査部門の業務に忙殺されていました。追われるように携わっていた,会社経営・財務活動と銀行業務について,俯瞰・総括できないかと考え,本学大学院博士前期課程で学びはじめました。そこで経営と財務,経済学全体について新たに学習し,または再考し,「圧倒的な視野の広がり」を経験しました。そして,2010年からは博士課程に籍を置くことを許されました。

2.大学院での研究の意義

博士課程は,博士論文執筆がほぼ全ての活動です。先生の力を最大限にお借りし,ある意味で一体となり,課題を選び,先行研究を学び,分析を掘り下げ,アウトプットの方法を考えます。これはすなわち,研究者としての取組み方を体で身につけるということだと思います。

社会人の研究テーマは自己の経験に基づくものが多いのですが,学問的な論文は会社での書きものとは全く異質なものであり,一人で学ぶことはできません。研究内容に,注の付け方,引用の仕方,参考文献,目次などの厳しい形式を課すことが必要です。実はこれにより,知見の有機的な繋がり・構造,学問的貢献が発見できるということがあります。

これら過去の知との折り合いの付け方である厳密な形式と,「未知のものを知りたい」という欲求とが噛み合うことによって,一歩進んだ次元に歩むことができるのだと思います。

まさに,「巨人の肩のうえに立つ」という学問の意味そのものを身につけ,結果として論文に結実するわけです。

本学大学院には,高い水準にある研究資料室とデータ・資料収集機能があります。苦しく地道な資料・データの収集なくしては納得性のある研究は進まないのです。さらに,大学内外の各学会・研究会での発表経験と人脈が研究をより深いものにします。研究発表をすることは,日本の「知」全体に対して発言することであり,苦労とともに醍醐味があると思います。

3.大学院での研究の成果

私はこうした研究過程のさなかに,銀行から小売を中心に営む事業会社への自主的な転職を行いました。しかし,研究を通じて思考と生活の一貫性が強く保たれていました。研究活動が,世の中で力強く生きていくための,まさに「力の源泉」であったと感じています。

大学院には様々な年齢・職業・出身地からなる「同志」がいます。お互いに意見交換し,苦労し,励ましあうところでもあります。私はこの大学院で,先生と仲間,すなわち一生の付き合いとなる人々と出会うことになりました。これがなにより最大の成果です。

私は今後,自ら物事を掘り下げる力を伸ばし,果敢に視野を広げ,職業と研究を通じて貢献したいと考えています。その第一歩を踏み出したという緊張感があります。こうした経験から,多くの社会人が,本学大学院博士後期過程の門を叩くことをお勧めしたいと考えています。

※修了生の所属先は、原稿作成時のものです

博士前期課程修了生
年度 指名
2023 Batjin Natsagdorj
2023 Xiao Yao
2022 匿名(Anonymous)
2022 Ma Minghui
2022 増井 正幸
2021 修了生(匿名希望)
2020 角三 美穂
2019 修了生(匿名希望)
2018 橋本 武敏
2018 椙江 亮介
2015 平岡 憲道
2015 八藤後 聡
2014 市川 千尋
2007 小南 和雄
博士後期課程修了生
年度 指名
2022 朴 峻喜
2021 高山 和夫
2020 天達 泰章
2019 杉山 敏啓
2019 須内 康史
2018 神尾 真次
2018 宮本 弘之
2015 深谷 正廣
2015 田中 恒行
2014 蔡 玉成(さい ぎょくせい)
2012 孔 繁智
2012 酒巻 雅純
2012 目 篤
2012 鈴木 芳治
2011 植林 茂
2010 劉 博
2007 大江 清一
2006 神津 多可思